苦しい2か月が過ぎ、3か月目には初めて自分がメインで担当するお客様を付けていただくことができました。
中古物件の購入を考えているお客様。
2歳のお子様がいらっしゃる3人家族のお客様でご主人は新築を、奥様は中古物件を希望しておられ、ご夫婦で意見が大きく分かれておられました。
また、まだお若く収入も多くないため予算に限りもあり、その精一杯の予算でお二人の納得する物件。話し合いは序盤、常に平行線でお互いに歩み寄っていただくのに大変苦労しました。
最終的に、リフォーム済の中古物件を購入されましたがとてもよい物件で決まった時にはお二人とも納得されておりうまくまとめられて安堵しました。
契約から決済までを先輩の力をかりつつ初めて経験しました。
初めてのお客様をまとめることができ嬉しい気持ちもありましたが、ここでこの仕事の大変さを改めて感じたといったところでした。
そして試用期間も終了し、正規雇用となって、いよいよ一人で動くようになりました。
ここからは担当となったお客様の物件探しや、売却についてとにかく担当となったお客様の案件一件一件について一所懸命に対応する。
そんな毎日でした。
やはりお客様を担当すると気持ちも変わります。
だってその方にとって大変大きな買い物ですし、逆に売る方であれば大変大きな財産の売却です。
結果、絶対によかったと思えないといけません。
そこからは家にいるときもお客様の物件を探していたり、売却されるお客様の広告、キャッチコピーを考えたりと自然と常に仕事のことが頭に浮かんで考える毎日でした。
もちろん、担当するお客様が増えれば増えるほど日々時間に追われ忙しくなりましたが、全く苦ではありませんでした。
最終、決済後に喜ぶお客様の笑顔を見られたらそれまでの苦労なんて気にもなりませんし、私は苦労と思っていなかったと思います。
入社から一年経つ頃には、担当がm子さんでよかった!と言っていただけることが増え、やりがいもあり、日々が充実していました。
また、私が一人で動くようになってからちょうど一年経つ頃が会社の決算時期でもあり本社では恒例の総会が開かれました。
気が付けば契約数、売り上げ金額も伸び、過去4年間で入社した社員の中では1位、総合では3位の成績で表彰されました。
こつこつやってきたことが結果に結びついたんです。
まさかこんなことになるなんて思ってもいませんでした。
1年前には何もなかった私。
人生で初めて「我武者羅」を経験しました。
ただひたすら仕事、そして夫との離婚調停の中、子供たちのためにお金を稼ぐ。それだけを考えた一年でした。
まずは子供達のお世話を日々手伝ってくれた母に感謝です。
私が仕事に集中できたのは母のおかげです。
この頃には先輩方とのコミュニケーションもしっかりと取れていましたし、仕事がまともにできるようになっていました。
辛い日々があったからこその今だと感じた瞬間でもありました。
努力は報われる。これは本当ですね。
04話 苦しい時期を乗り越えて
